2011/11/06

裸執事 @犬島

裸執事
※リンク先18禁注意

1853年、アメリカ海軍東インド艦隊司令長官マシュー=カルブレイス=ペリー率いる艦隊が、
浦賀――現在の神奈川県横須賀市東部に来航した。俗に言う『黒船来航』である。

大阪の陣から二百数十年。鎖国政策を採り、葵の御紋のもと、絶対的な封建制度で
国家を成した日本は、この事件を契機に閉ざしていた『海外』との格差を意識しはじめ、
緩やかな江戸の御代は一転、激動の幕末へその流れを変えて行くこととなる。

それから二百数十年後、2011年9月。黒船は、再びやって来た。
浦賀にではなく、BLゲーム界に。
遠く対岸から見守るBLゲーマー達は気付いていなかった。
甲板で恭しく頭を下げる男達が、蝶ネクタイ以外、何も身につけていなかったことに――
(その上全員アヘ顔ダブルピースだったことに)

内容については、色々なところで色々な人が書いている通りなので、詳細なレビューは省きます。
皆さんの仰る通り、絵は綺麗だし文章も悪くない。音楽も声優も、違和感を覚えるところはない。
ただしエロシーンがキツい。そういうゲームです。

ではお前は何を書くんだよって話ですが、今日はこのゲームの大きな特色である
プレースタイルの特異さについて書きます。もちろんネタバレがあります。
色々な意味で気をつけてください。

▼いいからさっさと本題に入れよな方はこちら

苛烈な責めによる恥辱や苦痛によって理性の箍が外れ、快楽の虜となる描写。
いわゆる『アヘ顔ダブルピース完堕ちエンド』がこの作品には見られます。

アヘ顔とは快楽のあまり白目を剥き、頬を赤く染め、
笑顔の形に開いた口から舌をだらしなく垂らせる表情
です。
この表情に両手でピースをさせ、完全に理性を失った様を表現するのがアヘ顔ダブルピースです。

また完堕ちとは、脳内が純度100%の快楽に支配され、性交による悦楽しか考えられなくなること
指します。抵抗しながらも感じてしまう状態は『半堕ち』とされています。

この描写は五、六年前から男性向け18禁コンテンツで見られるようになったと記憶しています。
ツンデレのような、ギャップ萌えの一種ですね。初めはあんなに厳格で、冷徹で、反抗的だった
キャラクターが、次第に快楽に侵食され、そして壊されてしまう。この一連の流れは、今でも一定数の
シェアを有しています。
(もちろん、男性向け18禁ゲームの全てがこの手法を採っているわけではありません)

この作品は、厳格で、高潔で、規律の象徴とでも言うべき『執事』という職業、シチュエーションに
最大限のギャップを発生させる為に、アヘ顔ダブルピース完堕ちエンドを用意したように思えます。
雨に濡れた子犬と傘を差し出すヤンキーの例を挙げるまでもなく、ギャップとは、振り幅が大きければ
大きいほど生まれます。

ただし、この手の作品は、ギャップによるエロスと引き換えに、ピュアな恋心を失います。
脳内が純度100%の快楽に支配されるわけですからね。愛や恋は二の次で、時には
相手が誰でもよくなってしまったり、人間以外とそういうことをしてしまったりもします。

それがBLゲーマーの皆さんにどう響いたのか。好意的な意見も、否定的な意見も目にします。
ただ、全く興味がないか不安に思っているならプレイしない方が賢明ですし、
鬼畜の所業の数々に耐えられる自信があるならプレイするのも一興でしょう。
某裸バスケのように「ありえねーwwwww」と笑いながらプレイできるものではないことは、
ここではっきりと明言しておきます。

個人的な考えですが、アヘ顔ダブルピース完堕ちが支持されるのは、
それがギャップとして成立するだけ、男の子が、女の子の事を
清らかで可愛らしい存在だと信じているからではないかと思います。

ですから皆さんは、どうか、そんな夢見がちな男の子の事を
可愛らしい存在だと思ってやってください。同じ男として言えるのは、それだけです。

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